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奈良県の特色

日本の近畿地方に位置する県。県庁所在地、最大の都市は奈良市。県面積は内陸8県の中で最も狭く、県人口は30位でありながら県人口密度は14位となっている。かつて都があったことから歴史的建造物が数多く所在し、現在、国宝建造物数は日本で最多である。平城京が置かれていた奈良時代には、歴史の中でも転機とも言われた国際色豊かな文化、天平文化が花開いた。平城宮跡の朱雀門や、大仏で有名な東大寺、阿修羅像や四天王像がある興福寺、 世界最古の木造建築物で聖徳太子ゆかりの寺院である法隆寺などが有名。奈良公園内にある春日大社が鹿を神使としていることから、奈良公園には多くの鹿が生息し、奈良＝鹿というイメージがあるのも特色。

• 東大寺

  奈良市雑司町に所在する華厳宗大本山の寺院である。仏教中心の国創りを進めた聖武天皇の想いを表すべく743年に建立された。各地に建立された国分寺の中心をなす総国分寺と位置付けられた。世界最大級の木造建築とされる大仏殿で「奈良の大仏」として知られる盧舎那仏を本尊とする。大仏殿の内部には、大仏の鼻の穴と同じ大きさの穴が空いた柱があり、その穴をくぐることが出来ると無病息災のご利益があるといわれている。子ども達が親に連れられくぐる様子がよく見られる。また、1998年12月に古都奈良を代表する文化財の一部として、ユネスコに世界遺産に登録された。

• 奈良公園

  奈良県を代表する広大な都市公園。歴史的建築物の代表である東大寺や春日大社、興福寺の境内から春日奥山までの東西約4km、南北約2kmに及ぶほどの広さを誇る。荒池園地や茶山園地、若草山などの広く綺麗な芝生と、樹齢1,000年を超えるとされる松木立が並び、自然豊かな憩いの場として県民や観光客に親しまれている。公園内には多くの国宝指定や世界遺産登録物件があり、日本全国を通しても代表観光地の一つとされる。奈良公園＝鹿のイメージは有名だが、鹿は元々春日大社の神使であることから由来し、約1,300頭の野生の鹿が住んでいる。鹿せんべいのエサやりも奈良公園観光の楽しみの一つ。塀・柵・門などがなく入園料も不要なので、365日・24時間いつでもどこでも散策することが可能。

• 法隆寺

  607年に聖徳太子と推古天皇によって創建されたと伝えられる生駒郡斑鳩町に位置する仏教寺院で。斑鳩は、生駒山地の南端近くに位置し、大和川を通して大和国（現在の奈良県）と河内国（現在の大阪府南部）を結ぶ交通の要の地域であった。奈良県は古墳や遺跡が多いことでも有名だが、特に法隆寺付近には藤ノ木古墳をはじめとする多くの古墳や古墳時代の遺跡が残る。なお、金堂や五重塔がある西院伽藍は、現存する世界最古の木造建築物とされている。南大門にある19棟の建造物、38件もの仏教美術品が国宝に指定されており、仏教文化の研究の宝庫とも言われている。1993年に日本で初めて世界文化遺産に指定されたものの一つでもある。

• 橿原神宮

  橿原市の畝傍山の東麓である久米町に所在する神社。日本最古の神社と言われていて「古事記」や「日本書紀」にもその由緒が記されており、正しい説とされる。本殿はなく、拝殿の奥にある三ツ鳥居を通して三輪山に向かって拝むのだが、これは、ご祭神である大物主大神がお山に鎮まるためと伝えられている。また、山自体がご神体とされており、昔から一木一草にいたるまで斧で伐採することが許されていない。

• 明日香村

  奈良県の中央部辺りに位置する村で、聖徳太子の時代から100年以上都が置かれた場である。中央集権律令国家が誕生した土地であり、飛鳥時代の宮殿や史跡が多く発掘されていることでも知られ、「日本人の心の故郷」とも紹介されている。蘇我馬子の墓と伝えられる石舞台古墳や、当時の様子を表す壁画で有名な高松塚古墳、日本最古の大仏が鎮座する飛鳥寺跡など、多くの旧跡があり、これらを巡る散策が観光として人気である。頂上から大和三山が眺められる甘樫丘の麓には蘇我氏の居宅があったとされている。

• 吉野山

  奈良県中央部、吉野郡吉野町にある吉野川（紀の川）の南岸から大峰山脈へ南北に続く約8kmにも及ぶ尾根続きの山の総称である。また、金峯山寺を中心とした社寺が点在する地域の広域地名でもある。昔から花の名所として知られ、その中でも特に桜は有名で、その美しさを拝みに、かつては豊臣秀吉も見に来た事があると言われている。1990年に日本さくら名所100選に選定され、現在でも桜が咲く季節になると多くの花見観光客で賑わいをみせる。また、1924年に国の名勝・史跡に指定、1936年に吉野熊野国立公園に指定され、2004年には吉野山・高野山から熊野にかけての霊場と参詣道が「紀伊山地の霊場と参詣道」としてユネスコの世界遺産に登録された。もとは修験道の聖地であり、金峯山寺をはじめとする修験道の寺院や、後醍醐天皇や源義経に所以の深い吉水神社、静御前の伝説がある勝手神社など、名所旧跡も多く所在している。