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ディンプルキーとは?合鍵が作りにくい&ピッキングされにくいって本当?

2020.03.15 鍵について

ディンプルキーとは防犯性の高い鍵として知られており、特にピッキングに対しては、従来の鍵に比べて大きな耐性を持っている鍵です。

2000年頃に急増していたピッキング対策として普及が進み、今なお強い人気をもった鍵の1つとなっています。

今回は、ディンプルキーがどうしてピッキングに強いのか、また合鍵の作りにくさの理由についてご紹介いたします。

ディンプルキーについての知識を高めることで、防犯に活かしましょう。

ピッキングに強いディンプルキーとは?

ディンプルキーとは、昔からあるギザギザした形ではなく、側面にいくつもの丸い凹みが刻まれている鍵のことです。

見た目でもディンプルキーかそうでないかは一目で分かります。そんなディンプルキーですが、ピッキングされにくい鍵として有名で、防犯性の高い鍵のひとつです。

しかし、なぜディンプルキーはピッキングされにくいのでしょうか。また、ピッキングされにくいから防犯性が高いと言えるのでしょうか。

ここでは上記のような内容についてご紹介します。

ディンプルキーがピッキングされにくい理由

ディンプルキーはそれまでの鍵に比べて、複雑な構造をしています。鍵を開けるためには、鍵穴の内部にあるピンを一定の位置に揃える必要があります。

ディンプルキーのピンの数は多く、また以前のピンは鍵穴の上部から下に向かうものだけでしたが、ディンプルキーの場合は左右からもピンが出ています。

鍵を開けるために必要なピンの数が多く、またその角度も複数になっているなど、ディンプルキーは複雑な作りをしています。

どれほど複雑なのかを示す数字に「理論鍵違い数」というものがあります。これは鍵を解除するために必要なピンの位置の理論上のパターン数のことです。

ディンプルキーは約100億から1,000兆パターンを作れます。なお、以前からあるギザギザした鍵では約100万から1億前後のパターンしか作れません。

比較すれば桁違いなほどにディンプルキーは複雑に作られていて、これをピッキングで鍵開けするためには、相当の時間がかかるのです。

ディンプルキーにかかるピッキングの時間

ディンプルキーをピッキングで鍵開けするときには、熟練した技術をもつ鍵業者であったとしても10分近くかかります。

ディンプルキー以外では数十秒から1分の間にピッキングで鍵を開けられてしまうことがあるため、10分という時間は十分な防犯性であることが分かります。

侵入窃盗犯は、ドアの鍵開けに5分以上かかると、その70%以上が侵入をあきらめるというデータがあります。

このような面でも、10分もピッキングに耐えることができるのであれば防犯性は十分に高いと言えます。

ディンプルキーとはピッキングを確実に防げる鍵ではない

ディンプルキーはピッキングに強い鍵であると言えますが、確実にピッキングを防ぐことができるわけではありません。

そのためディンプルキーを使うだけでなく、防犯カメラなどを設置することで防犯性を総合的に高めるようにすることも心がけましょう。

ディンプルキーは合鍵が作りにくい鍵

防犯性の高さと関係する点でもありますが、ディンプルキーは合鍵を作ることが難しい鍵です。

その理由はピッキングされにくいのと同じく、構造的な複雑さにあります。ここでは、このようなことについてもう少し深掘りしてご紹介します。

ディンプルキーとは鍵業者では合鍵が作れないこともある鍵

従来の鍵よりも複雑であるため、合鍵の製作には時間と特別な機材と技術力が必要になり、小さな鍵業者ではディンプルキーの合鍵を作れないこともあります。

また、ディンプルキーの合鍵製造には従来の鍵よりも高額な費用と、時間がかかることにも注意が必要です。

さらに、ディンプルキーの種類によっては、鍵業者に合鍵製造の依頼をするときに、購入時の証明書類などが必要になるものもあります。

このようなことからディンプルキーは合鍵が作るのが難しいと言われているのです。

ディンプルキーの合鍵を確実に手に入れるためには

メーカーに注文することで、精度の高い純正品の合鍵を購入することができます。

ディンプルキーに刻印されているキーナンバーをメーカーに告げれば、合鍵が製造されますが、受け取りまでに3週間~4週間かかってしまうというデメリットがあります。

しかし、鍵業者に作ってもらう合鍵に比べて、より精度が高いために鍵穴に起こす摩耗は少なく済み、鍵の寿命を全うさせることができます。

精度の低い鍵を使っていると、鍵穴の中身を壊してしまったり、鍵が抜けなくなったりするため、合鍵はメーカーに注文して作る方が好ましいのです。

まとめ

ディンプルキーとは合鍵が作りにくい鍵であり、ピッキングもされにくい鍵です。防犯性が高い鍵であるため、自宅の鍵を古いまま使用している場合には交換の候補としておすすめできる鍵です。

侵入窃盗事件は平成30年には62,745件が発生し、その半数近くの31,505件が住宅に対するものなので、住宅の守りをおろそかにすることはできません。

ディンプルキーは、住宅を守るための有効な選択肢の1つになります。ドアの鍵交換の際はぜひディンプルキーをご検討ください。

鍵に関するご相談は、マッハ鍵サポートにお任せください。
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WRITER この記事を書いたのは…

著者: 坂本祐一

大手金庫メーカー在籍3年、後に鍵開けチェーン店に勤務 その後マッハ鍵サポートに入社、鍵歴10年のベテランです。 セミナー講師、鍵連載コラム多数あり。

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