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TSAロックとは?知っておきたいスーツケースの鍵の常識

2019.11.02 スーツケース鍵開け

長期休暇を利用したり、出張などで海外に訪れたりする人もいるのではないでしょうか。どの国も安全とはいえないため、スーツケースには鍵をかけておきたいところ。そんな海外旅行におけるスーツケースの防犯性を高めてくれるのがTSAロックです。

スーツケースについて調べているとよく出てくるこの言葉、そもそもどのような意味なのかを知らない人も少なくないはず。そこで今回は、スーツケースの鍵に関する知識を高めてもらうことを目的として、TSAロックについて詳しくご紹介します。

TSAロックとは?

TSAロックとは、アメリカ運輸保安局(TSA:Transportation Security Administration)によって認可・容認された鍵のことです。アメリカ方面へ旅行するとき、TSAロック以外の鍵をかけていると、検査によって壊されることがあります。TSAロックは空港職員の持つマスターキーで鍵を開けられるため、壊される心配はありません。

TSAロックが必要な理由

TSAロックが推奨されている理由は、2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ以降、アメリカ国内の空港における荷物検査やセキュリティ検査が厳しくなったからです。X検査で不審物が発見される以外にも、職員が中身をチェックするために、鍵の破壊が許可されています。このような事態を避けるためにTSAロックは開発されました。

レッドダイヤモンドが目印

現在発売されているスーツケースのほとんどがTSAロックに対応しています。いま持っているスーツケースがTSAロックなのかが分からない場合は、鍵穴付近にレッドダイヤモンドの目印の存在を確認してみてください。ヨーロッパやアジアなどではTSAロックの義務はありませんが、アメリカを訪れるときはTSAロックのスーツケースを選びましょう。

TSAロックの種類


TSAロックには大きく分けて5つの種類があります。それぞれのメリット・デメリットを理解したうえで、どのタイプを購入するのかを決めることが大切です。後付けで取り付けられるものもあるため、用途や予算に合わせてピッタリなものを選びましょう。

シリンダー型

ほとんどのスーツケースに備え付けられているタイプがシリンダー型の鍵です。基本的には専用の鍵を使って施錠・開錠を行います。しっかりと施錠できるというメリットもありますが、鍵自体が小さいため紛失しやすいというデメリットもあるため注意が必要です。

ダイヤル型

シリンダー型と同様に、ダイヤル型もスーツケースに備え付けられている場合がほとんどです。鍵が不要で紛失する心配はありませんが、暗証番号を覚えておく必要があります。またスーツケースによっては、シリンダーとダイヤルが組み合わさっているものもあります。

南京錠型

二重ロックを目的として、もともと備え付けられている鍵にプラスして南京錠型を選ぶ人も少なくありません。本来ついている鍵に加えて、ジッパーの部分を合わせて南京錠を止めることで防犯性を高めることができます。南京錠型には、鍵式とダイヤル式があります。

ワイヤーロック型

空港などの人通りの多い場所で、盗難被害を未然に防ぐことを目的としてワイヤーロック型の鍵を使う人も増えてきています。ワイヤーを公共のベンチや柱、カートなどにくくりつけてスーツケースとロックすることで、防犯性を高めることができます。

ベルト型

スーツケースを囲うように使うベルト型は鍵としては定番で、視認性の高さから使用する人も少なくありません。そのため、他の人のスーツケースと間違えるなどのトラブルを未然に防ぐことができます。また、中身が飛び出してしまうといった防止にもつながります。

もしTSAロックが壊されてしまったら?

アメリカの空港でTSAロックが開けられる主なケースは以下の2つです。

  • X線検査で不審物を発見した場合
  • 不審物の有無に関わらず、空港職員による目視検査をする場合

仮にTSAロックを空港職員によって開錠された場合は、「NOTICE OF BAGGAGE INSPECTION(荷物検査の通知)」と書かれた紙がスーツケースのなかに入っています。

また、空港職員がTSAロックを開錠するときに、鍵を壊してしまうこともあります。この場合でも、航空会社がスーツケースの補償をしてくれることはないため注意が必要です。

ただし、海外旅行保険の対象になる場合があるため確認しておきましょう。

まとめ

TSAロックのスーツケースでも鍵が壊されてしまうことがあるため、鍵をかけずに預けるという人もいるでしょう。この場合、盗難被害を未然に防ぐために貴重品は手荷物として機内に持ち込むようにしてください。また、輸送中などの衝撃で中身が飛び出してしまう可能性もあるため、スーツケースベルトの用意をおすすめします。

WRITER この記事を書いたのは…

著者: 坂本祐一

大手金庫メーカー在籍3年、後に鍵開けチェーン店に勤務 その後マッハ鍵サポートに入社、鍵歴10年のベテランです。 セミナー講師、鍵連載コラム多数あり。

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