
いつも何気なく使っている鍵ですが、修理や交換が必要になることがあります。このように鍵には「寿命」があり、同じ鍵を永久に使い続けることはできません。ずっと使えると思いがちですが、普段から寿命のことを意識して使うことが必要です。
さらに、同じ種類の鍵でも使い方によっては寿命も大きく変わってきます。それでは、安心して長く使い続けるためにはどのようなことに気を付ければいいのでしょうか。鍵の寿命だけでなく、長持ちさせるために知っておきたい3つのコツをご紹介します。
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ずっと同じ家の鍵を使っている家庭も少なくありませんが、一般的な鍵の耐用年数は約10年、耐用回数は約10万回とされています。鍵は永久に使えるというイメージを持っている人もいますが、鍵には寿命があることを意識しながら使いましょう。
日本ロック工業協会では一般的な鍵の耐用年数を10年(電気錠は7年)としています。1日10回開け閉めすると想定しており、1年間に約1万回、10年間で約10万回の開閉を耐えられるように作られています。しかし、10万回を下回って故障しないという保証があるわけではなく、あくまでも耐用年数10年は目安として考えるのが必要です。
たとえば、従来型のディスクリンダ―錠はピッキングされやすく、現在主流として使われているディンプルキーと比べると防犯性では大きく劣ってしまいます。鍵は壊れない限り交換しないのではなく、リスクを軽減させるために取り替えるという考え方にした方が良いでしょう。新しい鍵に交換するだけでも防犯対策になります。
鍵は扱い方によって早く壊れやすくなったり、長く使い続けられたりします。交換頻度を早めないためにも、鍵を長持ちさせるために知っておきたい3つのコツをご紹介します。
鍵は繊細に作られており、溝の部分などに埃やゴミが溜まっているのは構造上良くありません。わずかな埃だとしても、年数が経過するとシリンダー内に溜まっていき、鍵が抜けなくなるなどの危険性も考えられます。鍵の表面を定期的にメンテナンスし、シリンダー内の埃も掃除機や使い捨ての歯ブラシなどを使って取り除きましょう。
仕事で急いでいるときなど、鍵の扱い方が雑になってしまっている人もいるのではないでしょうか。ガチャガチャと何度も回す、力いっぱいに鍵を挿す、無理やり抜くなど、このような扱い方をしていると鍵本体だけでなく、鍵穴も傷つけることになります。たとえ時間がないときでも、鍵の扱い方は丁寧に行うことが長持ちさせるコツです。
少しイライラしているときなど、ドアを勢いよくバターン!と閉める人も少なくありません。また、ドアを早く閉めようと無理やり引っ張るというケースも。このような行為を繰り返すことで鍵の寿命を短くさせることにつながります。また、ハンドルに重い荷物をかけたり、紐で固定したりすることも、錠前を傷つけることになります。
最近では、鍵の耐用技術も向上しているため、すぐに修理や交換が必要になることは滅多にありません。しかし、ある行為をすることで鍵の寿命が縮むこともあります。
経年劣化などが原因により、鍵が抜けなくなることもあるでしょう。慌てて無理やり抜こうとすると、状況が悪化する可能性もあります。少しずつ回したり、小刻みに動かしたりしながら抜くことを意識してください。あまりに強い力を入れ過ぎてしまうと、鍵穴内の部品が破損することもあるため、力は軽くいれることが大切です。
鍵穴には鍵の抜き差しをしやすくするための潤滑剤が入っています。経年劣化で潤滑剤が減少したことによりトラブルが発生しているかもしれません。鍵の抜き差しを滑らかにするためには、専用の潤滑剤が必要になります。身近にある市販のオイルを使おうとする人もいますがゴミを固める原因となるため、絶対に使用しないでください。
鍵穴にゴミが溜まっているのであれば、掃除機などを使って異物を取り除けば解決することがあります。掃除機以外にも、キーボード用のエアダスターや、自転車の空気入れでも代用可能です。ただし、針金などの細長いものを鍵穴に入れてゴミを掻き出そうとすると、シリンダーを傷つけてしまう危険性があるため、絶対にやめましょう。
鍵を落とさず丁寧に使い続ければ、すぐに修理や交換が必要になるわけではありません。とはいっても、人の出入りが多いドアでは、鍵の劣化も早くなります。鍵に負担が掛からないような気を付けるのはもちろん、定期的なメンテナンスも忘れずに行っていきましょう。
大手金庫メーカー在籍3年、後に鍵開けチェーン店に勤務 その後マッハ鍵サポートに入社、鍵歴10年のベテランです。 セミナー講師、鍵連載コラム多数あり。
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